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21世紀の課題「地球環境問題」-4
すべては巨大な輪となり繋がっている
 

ここ日本にあって、森林破壊といっても実感がないという意見がほとんどだろう。しかし着実に森林は破壊され、いったん壊れた生態系を元に戻すのには数十年、いやそれ以上かかると言われているのだ。

つまり、一般の私たちが実感してからでは手の施しようがない。このまま森林破壊が進めば、「緑が少なくなった」などと感傷にふける程度の問題ではない。土を作り、土壌や水の保持をする。そして大気の浄化までやってのける森林を破壊し続ける行為の代償は、確実に私たちの存続を脅かすであろう。一見つながりがないようだが、森林破壊は食糧問題にも関係してくる。

子供たちは、スーパーに並ぶ野菜を見て、工場で作っていると思いこんでいる。こんな話を聞いて笑うことができるだろうか。手に取った野菜を見て、農家があり、土があり、季節があることを忘れているのは子供たちだけではないだろう。

私たちは、与えられたものを単に消費するだけの存在に成り下がってはいけない。選ぶ基準が、安価で手軽に大量に、ということを続けていれば、食料を海外に依存せざるを得ない。そして単なる商品になった食材は、何のためらいもなく捨てられていく。つつましく、堅実に生きていた日本人の品格はどこへいったのだろう。

現代社会に生きる私たちに欠けてしまった想像力と知恵。それは、人類に与えられた素晴らしい力であり、動物にはない武器なのだ。これを地球を攻撃するために使うのか、地球と共存するために使うのかの選択が迫られている。

動物は、満腹になれば餌を捕らない。私たちは、消費する以上の食物を流通させ、あげくの果てに捨てている。一方では餓死する人々がいる。食べ物だけではなく、先進国の要求に応えるために森林が破壊されてゆく。私たちの生活は、リスクを負う国々によって支えられているのだ。
まずは、実情に目を背けることなく学び、伝えることだ。そして、ほんの少しでも生活を変えれば、小さな波も重なり続け、大きなうねりとなることだろう。

あらゆる意味で地球を食い尽くすことなく、地球という生き物と人類という生き物が共存する道を、今こそ探そうではないか。

 
 
生態系の要といえる森林の働き
 
   

森の中には微生物、花、昆虫、木の実、鳥、動物が暮らす。動物の死骸やフン、倒木、葉などが微生物に分解され土壌を作り森を育むのだ。
●土を作る
最も豊かな森でも土の深さは30cm程度にすぎない。たった1cmの土壌が作られるまでには数百年を要する。
●緑のダム
豊かな表土には、雨水を素早く浸透させる働きがある。このため土壌の浸食や流出が抑えられる。土砂が流出する量は裸地の1/150といわれ、少しづつ流れる土壌は田畑に供給される。近年は、川がコンクリートで固められ、土壌が海に直接流れ込むため、地力が低下し、肥料や農薬を使用という悪循環が生まれた。
●天然浄水器はミネラル水をつくる
雨水が地中に浸透する過程で、水を濾過し、化学物質を吸着する。森林が生み出す水は汚れがなくミネラルを多く含む。
●地球の肺・空気清浄機
地球温暖化の主要な原因である二酸化炭素を吸収・貯蔵。二酸化炭素を吸って、酸素を出す。また、汚染物質も除去し、大気を浄化する働きもある。

 
人工林の問題
 
   

人間の都合で植えるため、松、杉、檜など花や木の実が少ないものが多く、害虫駆除、間伐、下刈り、枝打ちなどの作業を十分しなければ育たない。落葉や生物が少ないため、土を作る力や保水力が弱く、緑のダムにもならない。
●絶滅の危機
針葉樹が多いため、葉の面積が小さく、酸素を作る力や空気を浄化する力が弱い。酸性雨にも弱く、人工林の多いヨーロッパでは、森の木が全て体枯れを起こした地域もある。
●人手にかかる存続
我が国では、海外の木材が安く輸入されているため、国内の木は競争力を失った。また、高齢化、過疎化により後継者がいないため、放置され、荒廃しつつある。
人工林は人手なしには存続できない。日本は、緑が多いように見えるが、実際には人工林が多く、全滅の危機がいたる所で起こっている。

 
森林破壊の実態
 
   

国連食糧農業機関のまとめによると1964年〜94年の森林消失面積は約2億ヘクタール(日本の面積の5倍以上)。うち55%はロシアで、毎年800万ヘクタールの森林が消失。緑豊かに見えるヨーロッパも自然林はほとんど消滅。アメリカでも原生林は15%に過ぎない。自然林は、成長量の10倍の速さで失われているのだ。
●世界の森が消える
「地球環境概況2000」では、世界の自然林の80%が失われ、そのうち90%を占める熱帯林の破壊は取り返しがつかない状態と報告された。
アマゾンでは、大気中の酸素の2割以上が生みだされているが、大豆や肉牛の農牧地拡大が主因となり、1年で東京都の12倍に当たる熱帯雨林が失われ続けている。
森がなくなれば、陸上生物すべてが滅びることを知ってほしい。

 
森林破壊の要因
 
   

東南アジアやアマゾンなどの森林破壊は、先進国の大量消費を賄うための商業伐採が原因。おもに、紙や建材として使用され、安価なため使い捨てされている。
●先進国による焼畑
これは再生できる規模の伝統的な焼畑のことではなく、スペースシャトルからでも煙が見えるほどの大規模な焼畑。1997年、インドネシアで半年にわたる大規模な森林火災が発生した。
広大な熱帯林が焼失した原因が、日本人が使う洗剤、化粧品などの原料となるヤシ油を生産する大規模なプランテーション建設のためだったことをご存じだろうか。
●巨大開発
巨大なダム建設により、広大な森林が水没する。これには先進国が深く関わっているといわれ、環境への配慮が不足しているため、完成したダムは土砂で短期間に埋まったり、洪水や干ばつが激しくなることも珍しくない。
●寒帯林の破壊・永久凍土の融解
熱帯林の破壊が世界的に問題になったため、企業が輸入先を変えた結果、寒帯林の伐採が増加。特に日本の輸入増大により、シベリアの森林破壊が進み、永久凍土が露出。湖が周りの凍土を溶かし、樹木が倒れ、ますます湖が広がるという危険な悪循環が進んでる。

 
 
森林破壊国日本
 
    江戸時代には、国策として植林を推奨、厳しい管理で森林を保護してきた日本。しかし戦後、農業は衰退、林業は壊滅状態になった。
今、世界最大の森林破壊国となってしまった日本。木材消費は増えているが、途上国の木材は安いため輸入に頼った影響は大きい。60年代フィリピン、70年代インドネシア、90年代からはマレーシアの森林を激しく伐採し、現地では非難の声が絶えない。
木材輸入ゼロだった日本が80%を海外に頼ることとなり、国内の森林は放置され絶滅の危機を迎えている矛盾を考えていただきたい。
●何気ない生活が森林破壊に
 
   
割り箸
国内の間伐材で作られていた割り箸も今は、80%が中国からの輸入。大量の森林伐採の結果1998年に長江で大洪水が起き、「割り箸が原因」と強い抗議がきた。


周りを見れば一目瞭然であろう。途上国の人々の10倍以上を消費しているのだ。

建材
住宅建材だけではなく、高層ビルやマンション建設に使うコンクリートを流し込むために必要な大量の型枠。この木材はすべて使い捨てなのだ。価格が安いために手間をかければ使い回しができる木材が捨てられている。
食生活
エビ、コーヒー、植物油やフルーツ、安い牛肉が関係していると知っているだろうか。エビの養殖場ではマングローブが、そして畑、牧場を作るために熱帯林が破壊される。そして、すべてに荷担している私たちなのだ。
 
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