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ここ日本にあって、森林破壊といっても実感がないという意見がほとんどだろう。しかし着実に森林は破壊され、いったん壊れた生態系を元に戻すのには数十年、いやそれ以上かかると言われているのだ。
つまり、一般の私たちが実感してからでは手の施しようがない。このまま森林破壊が進めば、「緑が少なくなった」などと感傷にふける程度の問題ではない。土を作り、土壌や水の保持をする。そして大気の浄化までやってのける森林を破壊し続ける行為の代償は、確実に私たちの存続を脅かすであろう。一見つながりがないようだが、森林破壊は食糧問題にも関係してくる。
子供たちは、スーパーに並ぶ野菜を見て、工場で作っていると思いこんでいる。こんな話を聞いて笑うことができるだろうか。手に取った野菜を見て、農家があり、土があり、季節があることを忘れているのは子供たちだけではないだろう。
私たちは、与えられたものを単に消費するだけの存在に成り下がってはいけない。選ぶ基準が、安価で手軽に大量に、ということを続けていれば、食料を海外に依存せざるを得ない。そして単なる商品になった食材は、何のためらいもなく捨てられていく。つつましく、堅実に生きていた日本人の品格はどこへいったのだろう。
現代社会に生きる私たちに欠けてしまった想像力と知恵。それは、人類に与えられた素晴らしい力であり、動物にはない武器なのだ。これを地球を攻撃するために使うのか、地球と共存するために使うのかの選択が迫られている。
動物は、満腹になれば餌を捕らない。私たちは、消費する以上の食物を流通させ、あげくの果てに捨てている。一方では餓死する人々がいる。食べ物だけではなく、先進国の要求に応えるために森林が破壊されてゆく。私たちの生活は、リスクを負う国々によって支えられているのだ。
まずは、実情に目を背けることなく学び、伝えることだ。そして、ほんの少しでも生活を変えれば、小さな波も重なり続け、大きなうねりとなることだろう。
あらゆる意味で地球を食い尽くすことなく、地球という生き物と人類という生き物が共存する道を、今こそ探そうではないか。 |