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21世紀の課題「地球環境問題」-3
オゾン層破壊の実態と世界的な取り組み
 

オゾン層破壊。この言葉を耳にするようになってから、ずいぶんと長い時間が流れた。しかし、危機感はどうだろう?  情報社会と言われる今。リアルタイムに流される情報は、まるで洪水のように大切な情報をも押し流し、埋もれさせてしまう。オゾン層破壊とは、私たちに直接関わってくる恐怖の現実であり、地球という生命体の病気といえる。
「今あなたはガンで、これと、これを続ければ確実に死亡する」と宣告されたとしよう。と同時に「こんなことをすれば、完璧に治るんだよ」と、具体的に明示される。自分が、家族がこのような事態に陥ったとしても、あなたは何もしないでいられるのだろうか。
日々の生活に流されてしまい、目の前のことしか見えなくなりがちだが、この世界を作ったのもまた、私たちなのだ。金銭に換算するのは好ましくないかもしれないが、たった一人の募金が一円だとしても、一億人集まれば一億円という大金になる。一見小さいと思われる積み重ねも、全体では大きな力となり得るのだ。
今すぐにフロンの放出を止めれば、15年後から徐々にオゾン層破壊から回復し、50年後には修復すると言われている。地球がかかった病の治療法も分かっている。フロン排出を止めるのは、他でもない私たちの数のパワーしかないのだ。
まるで、地球という一つの体の細胞のようではないだろうか? すべての事柄はつながっている。外へ出て、空をあおいでみよう。どこまでも青く広がり、私たちを守ってくれているではないか。小さな力であっても、一人ひとりがほんの少しだけ気づけば世界を変える力になると信じたい。

さあ、今日から始めよう。難しいことではないのだ。オゾン層の破壊につながる、フロンの入った製品を買わないこと、「フロンを回収してください」と言うこと。これだけなのだ。
世界を変えよう。私たちの力で・・・

 
 
昭和の生活
 
   

日に当たることは人間にとって、とても大切なことです。しかし、オゾン層が破壊されつつある現代社会では認識が変わりました。先進国では紫外線対策が進み、直射日光を避けることが大切と考え、医師たちがさまざまな情報を公表、警告をしています。
中でも、アメリカ、カナダ、ドイツ、オーストラリアなどでは、「今日の紫外線強度は7.3。直射日光を浴びる許容時間は20分以内。」という注意報を出しています。これはカナダ政府が設定した数値で、国際的に使用され、測定器も市販されています。

 
    ●公園や運動場に屋根
 オーストラリア国内では、下記のスローガンを元に各学校で義務化するほか、公園や運動場が直射日光を90%遮断するテントで覆われています。また、午前10時から午後3時までは野外授業を避けるという指導も徹底している。
 
   
オーストラリア・ガン防止協会のスローガン
「スリップ・スロップ・スラップ&ラップ」
スリップ
長袖の服を着用
濃い色の服を推奨
スロップ
UVローション塗る
紫外線防止指数SPF15以上
スラップ
帽子をかぶる
つば広、首を覆う布のついた帽子
ラップ
サングラスをかける
紫外線90%カット
    ●サンワイズスクールプログラム
アメリカ環境省では、紫外線についての教育プログラムを作成。アメリカ全土の幼稚園やハイスクールで導入され、啓蒙活動も行われている。
 
 
温暖化防止の国際的取組みと日本の恥ずべき現状
 
    フロンのオゾン層破壊を最初に発見したのは、アメリカの科学者シャーウッド・ローランド博士で、1972年に次のような警告を発しました。
「フロンはきわめて危険であり、すぐに全廃することが必要である。10年後にはオゾン層に穴が開き、20年後には人体に影響が出る。30年後には取り返しのつかない事態になる。」
国連環境計画やNASAによれば、オゾン層破壊は今後20年にわたって悪化し、最悪の2020年頃には、最大3分の2が破壊されると報告しています。
●世界のフロン規制
博士の警告は大企業などの強い抵抗に遭った。しかし欧米では不安を感じた市民の不買運動が広がり、1980年頃にはフロンスプレーが市場から消え始めた。
こうした点は日本と大きく異なる。その後、実際にオゾン層の破壊が確認され、世界はフロン規制に大きく動き始めた。
先進国は、全特定フロン(20種類)を1995年に全廃。全代替フロンIを2020年までに全廃が決定した。
●各国のフロン規制
 冷蔵庫、エアコンなどフロンを使用している製品は、廃棄時にフロン回収を義務づけられ、違反者には罰金が課せられる。
 
   
アメリカ 約300万円
ドイツ 約400万円

イギリス 約350万円
 
   

●日本の現状
フロンは回収の義務なし。放出規制なし。2001年に「フロン回収破壊法」が成立しましたが、メーカーに回収、破壊は義務づけられておらず、放出に対しての罰則もない。

 
 
オゾン Q&A
オゾン(ozone)とは?
  3のこと。Oとは酸素のこと。つまりオゾンとは酸素が3つ集まったものです。
オゾン層とは?
  上空20〜30kmに薄く広がり、一気圧換算ではわずか3ミリしかありません。
オゾン層の役割は?
  有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守っています。
オゾン層はどのくら破壊されているの?
  南極上空では4年連続して過去最大規模のオゾンホールが観測されています。日本でも札幌上空でオゾン層の減少傾向が確認されてます。
紫外線の増加による影響は?
  穀物等農業生産が減少するほか、オゾンの量が1%減少すると、皮膚ガンの発症が2%増加し、白内障の発症が0.6〜0.8%増加するといわれています。浅海域の動植物プランクトン(海洋生態系の基礎)にも致命的な打撃を与えます。
日本のオゾン層はどうなの?
  オゾン層の破壊は先進国の上空が著しく、日本の上空はすでに10%、最大30%の減少が確認されています。
できることは?
  フロンの回収と、フロン製品を使わないことです。
フロンとは…
フロンとは自然界にない物質で、1928年以降最大の発明といわれた化学物質です。大気中に放出されたフロンがオゾン層に達するまでには15年以上かかります。
冷媒・冷却剤として
  冷蔵庫、エアコン、飲料自動販売機の冷却剤として使用されている。廃棄時、大気中に大量のフロンが放出される。ヨーロッパではノンフロン冷蔵庫が普及し、ドイツで販売される冷蔵庫の90%以上がノンフロン冷蔵庫である。日本では代替フロンを使った冷蔵庫を販売しているが、これもまた地球温暖化の大きな要因になっている。
発泡剤として
  家の壁などに防音材や断熱材として使われている発泡ウレタンや発泡スチロールの小さな泡一つひとつにフロンが詰まっている。冷蔵庫に使われる断熱材のフロンは冷却用フロンの数倍となる。
ロンの種類
 
種 類 特 徴 オゾン破壊
特定フロン 10万倍量のオゾンを
破壊する
最強
代替フロン I 1〜3万倍量のオゾン
を破壊する
代替フロン II 二酸化炭素の数千倍
の温暖化ガス
ゼロ
紫外線とは…
紫外線には波長によってA・B・Cの3種類があります。紫外線B波は遺伝子を傷つけ、皮膚ガンや免疫低下を引き起こし非常に危険ですが、これまではオゾン層によって遮断されていました。
食料生産の減少
  紫外線B波の増加は植物の生長阻害を引き起こし、農作物の収穫低下につながる。特に、わたしたちの主食である米、麦、大豆、トウモロコシなどは紫外線に弱い穀物の代表。
オゾン層がなくなれば生物は死滅
  オゾン層が形成されたのは今から4億年前で、そのことによって生物が生存できるようになったといわれる。それ以前は紫外線B波が強かったため、陸上の生物は生存不可能だった。つまり、オゾン層がなくなれば陸上の生物は死滅することになる。
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