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21世紀の課題「地球環境問題」-2
環境に対する警告と世界的な取り組み
昭和の生活
 
   

今、昭和30年代が取り上げられるテレビや映画が増えました。わたしたちは懐かしく思うのですが、意外なことに若者たちは、古臭いなどと思うのではなく新鮮な驚きと同時に、親世代のつつましい生活や何もない時代のイキイキとした庶民の姿を魅力的に受け取っているのです。
ほとんどの人が貧しく、つつましく。でも希望がいっぱいだったあの頃。今はすべてが手に入り、驚きもなくなりつつあります。人が自分の力でなんとかしていたことも、機械が成り代わってくれています。
自動車を持ち、電気製品に囲まれ、洗濯や掃除も楽になり、食器洗い機も普通のことになりました。またエアコンのおかげで、1年中快適に過ごせます。野菜は虫食いもなく、食堂のウィンドウに並ぶサンプルのようで、動物や魚はまるで、工場で大量生産されているように見えます。コンビニやスーパーでは大量の食材が捨てられています。いつでも連絡が取れる携帯電話も、瞬く間に普及しました。銀行取引、株の取引、買物、仕事までもパソコンを使ってできる現代社会。画面上でお金が動く現実味のなさ。
生まれたときからこの状況では、若者たちの感覚が麻痺するのも仕方がありません。自分で考え、工夫して困難に打ち勝つ機会がないので想像力もなくなります。すべては、わたしたちが望んだことであり、望みは叶いました。

●一人ひとりの想いを重ねる
そんななか、実はほとんどの方が危機感を感じているといわれています。昭和30年代に見たあの空はどこへ行ってしまったのでしょう。エネルギーは無限なのでしょうか。
地球の向こう側で餓死していく子供たちがいるのに、こんなに食材を捨ててもいいのでしょうか。発展途上国の子供たちが学校にも行けず、過酷な労働を強いられ、作らされた商品をわたしたちが手にしているのを知っていますか。そして、便利になればなるほどエネルギーをを消費し、二酸化炭素を排出することを知ってください。
わたしたちがどん底から這い上がり、努力して、便利で快適な現代社会という望みをかなえることができたのなら、地球を元に戻すという望みもかなえることはできるはずなのです。一人ひとりの思いが重なれば、望みは叶うのです。

 
温暖化防止の国際的取組みと日本の恥ずべき現状
 
   

●IPPC報告の警告
1. 現状の二酸化炭素排出量は地球の吸収能力の3倍以上
2. 100年以内に540〜970PPMとなり、地球は熱暴走
3. 早急に地球全体で二酸化炭素排出量を60〜80%削減しなければならない

●地球サミットと日本の対応
1992年のブラジル地球サミットでは、155カ国がIPPCの警告に従い、「2000年までに二酸化炭素排出量を1990年レベルまで戻す」という条約にサインしました。ところが、1994年10月日本政府は国連に次のような中間報告をしたのです。「経済成長を維持するために、削減公約は達成不可能。最大限の努力をしても3%増加する」。現在も日本は「削減は不可能」との態度をとり続けており、結局1999年に9%増加しました。

●温暖化防止「京都会議」
IPPC報告から算出される、必要な削減量は日本91%、アメリカ96%、EU91%です。ところが、1997年12月に160カ国が参加した地球温暖化防止京都会議で、EUは「2010年に15%削減」という積極案を提示したのに対し、議長国の日本とアメリカが反対。結果「先進国で5%削減。ドイツ25%、イギリス23%、アメリカ7%、日本6%」で合意しました。この程度では温暖化防止にほとんど効果はありません。

●温暖化防止「ドイツ・ボン会議」
京都議定書発行のため2000年11月オランダで会議が開かれましたが、日本とアメリカが反対し決裂しました。日本は「削減目標6%のうち3.7%は森林が吸収するので除外してほしい。残りは原子力発電所を増設する」と、驚くべき発言をしました。2001年に決裂した会議やり直しのためドイツで再開会合を開き、日本は前回と同じ主張を繰り返し、アメリカは「アメリカ経済にメリットはない」と離脱してしまいました。

●国連報告「もはや手遅れ」
1999年国連環境計画では、「地球環境概況2000」をまとめ、地球温暖化を今後の最も深刻な環境問題と位置付けたうえで次のように報告しています。
・ 1990年代後半の大気中二酸化炭素濃度は過去最高
・ すでに温暖化が始まり、異常気象、洪水、干ばつなどが頻発
・ 京都議定書の目標すら達成できそうになく、温暖化防止はもはや手遅れ

 
 
温暖化防止へ、環境先進国EUのすばらしい取り組み
 
   

●国別に削減目標を設定し、実行に移しています
ドイツ25%(2005年)、イギリス23%(2010年)、デンマーク21%(2010年)、さらにEUは「地球環境2010」という報告書を作成し、温暖化ガスを2020年あでに40%削減し、長期的には70%削減を目標とすることを表明。具体的政策を導入し、ドイツ16%、イギリス9%と確実に削減を実行しています。

●脱、車社会
ドイツのフライブルク市では「パーク&ライド」と呼ばれる交通システムが導入されています。
郊外から市内に向かうには市の路面電車や市バスに乗りかえた方が便利になるように作られた仕組みです。乗り換え地点には無料の駐車場があり、人々はマイカーを降り、公共の交通機関に乗り換えます。
自動車で市内に入ったとしても、駐車場が少ないために、探すのに時間がかかったり、高額の駐車料金がかかったりするのです。もちろん、公共の交通機関は充実しており自転車の利用を促すことにより、自動車が不便になってきたといいます。
ほかにも20以上の都市および他のヨーロッパ都市で、中心部へのマイカー乗り入れ禁止をしたり、市内の車を減らす政策を取り、これらの街では大気汚染の減少や交通事故の減少など、環境面だけでなく社会的費用も軽減され、安心できる街に戻っているのです。
また、アイドリングストップへの取り組みでは二酸化炭素の排出を大幅に減らし、大気汚染も20%以上改善するという、すばらしい結果をだしています。

●炭素税の導入と自然エネルギー推進
1990年初頭から、北欧4カ国とオランダは、石油、石炭などの化石燃料に対して課税を行う「炭素税」(1リットル20円位)を導入し、消費が半減するなど大きな成果をあげています。
ドイツ、イギリスなどでも同様の課税をはじめ、EU全体に広がっています。ドイツやデンマークでは風力発電がこの10年間で100倍に増加。スウェーデンでは自然エネルギーの割合が40%を超えています。EU全体では今後10年間で、全エネルギーの10%以上を自然エネルギーに変えることが目標です。

 
わたしたちにできること
 
   

日本では、二酸化炭素排出の半分が家庭からのものです。具体的には、省エネルギー、節電、節水、節ガスなどと、マイカー利用を抑えること。ゴミの削減も効果的です。

●ムダをやめる
できる限り買わない、使わない、捨てない。たとえば、街にあふれる自動販売機。
なかでも缶コーヒーや清涼飲料水の自動販売機は現在約300万台も設置されています。とても便利なものですが、1台で一戸建て一軒とほぼ同じ電力を消費しているのです。全体ではなんと、原子力発電所2基分もの電力を消費しているのです。

●家族そろって
家族が一緒に食事をし、おかずを分け合うことで残り物をださない。一緒にテレビを見たり、お風呂に入ったり。昭和の頃はあたりまえの光景でした。こんなことでもエネルギー消費を抑えることができます。
核家族がすすんでいますが、おじいちゃんやおばあちゃんと暮らす良さも見直されてきました。もったいない。こんなことばを教えてくれる人が身近にいなくなってしまった現代社会。国連で注目された、英語に訳せないすばらしいことば、「もったいない」を知っていた日本人はどこへ行ってしまったのでしょう。そのことばを「テレビで見て、はじめて知った」という若者の街頭インタビューに一抹の不安を覚えずにはいられませんでした。
最初からすべてが揃った時代に生きる現代の若者たち、そしてあの頃を忘れてしまった大人たち。しかし今、30代、40代のメディアに生きる人々が戦争の悲惨さや、30年代の良さを訴える映画や小説を次々に発表しています。
自分たちの生きるこの時代が、たくさんの人々の犠牲や努力によって築き上げられたということを訴えているのです。きちんと伝わっていることもあるのです。

わたしたちは、今こそ、子供たちに胸をはれる時代を築かなくてはいけないのです。

 
 
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